オーガニック・ライフハック

タイトルをみて、よし、これでさらに「効率よい」日常を送れるぞ!と思った方がいらしたらごめんなさい。

期待して頂いていることと、ちょっぴり違うかもしれません。

私たちはモノと情報の溢れる時代を生きていて、可処分時間の中で「時短」「効率」「コスパ」のキーワードの中で、ひたすらに取捨選択の連続を繰り返しています。

時短くんも効率くんもコスパちゃんも、「時間をハックする」という点においては必要な人たちですが、彼らを主人公にしたストーリーを展開することをちょっとだけ想像してみてください。

よし、これで5分削れた!完璧なタスクをこなせた!と、全力ダッシュをして、

息切れした先でももっと効率良く、もっとタスクを、のmore more moreな世界。

ハイパー集団「時短効率コスパ」はアドレナリン出しまくり、達成感、乙!てな感じでしょうか。

物事にはすべて「陰陽」があり、揺れることはあったとしてもどちらかに偏らない方がいいわけですが、例のハイパー集団が主役ということは、端的に言うとずーっと陽が続いている「ONの状態」。

その麻薬的なバイブスにハマってしまうとなかなかに沼で、勝手にウェイウェイしているうちはまだいいのですが、「私はこんなに頑張ってる、これだけのタスクを背負ってこなしている私」が顔を出し始めたらちょっと危険の予兆、

だってそれだけ頑張りすぎていていたら、誰か私を見て、認めて、という気持ちが生まれてしまうから。

「褒めて認めて」、その感情自体が悪いということではないですよ、それは他人に期待するべクトルではなく、そもそも自分に向けるベクトルというだけかなと思うのです。

つまり@神田恵実 所長の提言する「ゆるめる自分」。自分頑張ったー!とゆるゆる星人になって溶けたらいい。

わたしたちの「オーガニック・ライフハック」は、ゆるめる時間をつくるため。

陽が極まり陰に転ずる、ハイパーな状態からガクッと落ち込んでしまうことがないように。

便利なシステムやSNSもそうだけれど、結局は「それ」と自分の距離の取り方なのかなあと思います。

もっともっとの世界では、どうしても脊髄反射的な反応になってしまう。考えているつもりでも、流れにのっているだけかもしれない。

知恵も道具も使い方次第、使われるのではなく自分で使えるように。

だからこそ「オーガニック・ライフハック」でつかみとった「あそびの時間」の中で、
盛大に無駄を楽しんでみたら良いのかもしれない。

無駄の連続で何が悪い、だってそれもまた私の人生なのだから!

文・編集    中河 レナ